多珂神社はギリギリ手前で警戒区域入りを免れた。
平成23年度の相馬野馬追では、本来、相馬小高神社で行うべき「上げ野馬神事」が規模を縮小して多珂神社で行われた。
以下、『福島民報』2011年7月26日より引用。
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上げ野馬神事で神馬奉納 相馬野馬追の最終日
東日本大震災の犠牲者への鎮魂と復興を願って行われた「東日本大震災復興 相馬三社野馬追」の最終日は25日、南相馬市原町区の多珂神社で古式にのっとった「上げ野馬神事」が行われた。
本来、神事が行われる小高区の相馬小高神社は警戒区域内にあるため、会場を移して実施された。
相馬行胤総大将と、全域が警戒区域に含まれる小高郷と標葉(しねは)郷の騎馬会員82人が県内外の避難先から集結。警戒区域から持ち出した陣がさや陣羽織を身に着けて参加した。
小高郷と標葉郷の出陣式では、津波の犠牲になった小高郷騎馬会員の蒔田匠馬さん(20)の遺影を前に慰霊の礼螺(れいがい)が吹かれた。「上げ野馬神事」では白装束に身を固めた御小人(おこびと)が裸馬3頭を神社に運び、1頭を神馬(しんめ)として奉納した。
多珂神社と相馬小高神社の宮司を務める相馬胤道さん(72)は「伝統を継承したいという多くの人の思いに支えられた。境内のにぎわいに今日の日を迎えられた実感が湧き、涙が出るほどうれしかった」と言葉を詰まらせた。
小高郷騎馬会長で、相馬野馬追の武者を束ねる五郷騎馬会長の本田信夫さん(71)は避難先の会津若松市から駆け付けた。「原発事故で相双地方は分断されたが、規模を縮小してでも開催できたことで、野馬追が生活の一部になっていることをあらためて感じた。来年こそは五郷そろっての出陣を果たしたい」と力を込めた。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/07/post_1611.html
多珂神社に向かう前に近くのJR磐城太田駅に寄ってみた。
常磐線は2011年12月21日より「原ノ町駅〜相馬駅」間で再開されているが、磐城太田駅は範囲外。
しかし、駅は小奇麗になっている。

原ノ町駅方面。

小高駅方面。

駅前の桜は満開。

「延喜式内名神大社 多珂神社」
太田川手前の巨大な鳥居。

誰もいない駐車場に車を止めて参道に向かう。
石灯籠が崩れている。

石橋奥の石灯籠も顛倒。



子供の狛犬の顔が恐すぎる。



桜は満開。

梅も満開。
白い花びらが風にハラハラと散って、美しい。

鳥居上部が欠けている。
多珂神社には1月3日にも参詣したが、境内の様子は前回と特に変わっていない。
2011年7月に「上げ野馬神事」を行うに際して境内を整備したのであろう。


「原町市花いっぱい推進事業」


鳥居の手前は太田川にかかる橋。

駐車場に戻ることにする。
白い車の奥に「立入禁止」の表示板がある。

牛小屋。

黒い牛がうっそりと佇んでいる。
前回訪問時(1月3日)にも同じ牛がいた。

「立入禁止」の警告は現在は失効しているが、防犯上の理由から、南相馬市は多くの地点で道路を封鎖しているガードレールと警告表示をそのまま残している。
posted by 神宮威一郎 at 14:35|
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南相馬市原町区